現代社会において、離婚に対する抵抗感が以前に比べて薄れてきており、その結果として離婚へと進むケースが増加していること、そして、結婚という伝統的な制度が現代の生活様式や価値観に合わなくなってきている可能性がある問題についての調査を行った結果、いくつかの興味深い事実が明らかになりました。この調査を通じて得られた知見をここで共有いたします。
目次
現代女性は離婚に抵抗をあまり感じていない
現代の女性の間では、離婚に対する抵抗感が徐々に減少していることが認識されています。
実に、離婚や別居を検討したことがある既婚女性が全体の50%に達しているのに対し、同様に考えたことがある既婚男性は35%という結果が出ています。この差は、夫婦間での家事や育児に対する負担感の違いから生じていることが明らかになりました。円満な夫婦は、夫も妻もそれぞれが担う家事の量に対して高い満足度を示しており、対照的に、不満を抱える夫婦は低い満足度を示していることがわかります(つまり、夫も妻も自分たちが負担する家事の量に対して不満を感じているのです)。
さらに、円満な夫婦は、不満を持つ夫婦と比較して、夫が休日や平日に家事や育児に費やす時間が長いことも分かりました。これは、不満を持つ夫婦の中では、夫がこれらの活動にそれほど多くの時間を割いていないことを示しています。また、円満な夫婦は、不満を持つ夫婦と比較して、会話をする時間が3倍も長いという結果も出ています。
これらの調査結果は、2016年6月にマクロミルが小学生以下の子どもを持つ夫婦2060人を対象に実施したアンケートから得られました。
女性が離婚を躊躇することが少なくなった背景
近年、女性が離婚を躊躇することが少なくなった背景には、様々な社会的変化が影響しています。以下にその理由を7つ挙げてみます。
- 女性の社会進出が進んだことにより、女性向けの職業機会が増加し、女性自身が離婚後も経済的に独立して生活できるようになりました。
- 結婚の意義の変化 – 結婚が「家に嫁ぐ」から「男女共に幸せを追求するもの」へと変わり、女性の感情や満足度がより重視されるようになりました。
- 娯楽の多様化と充実 – 昔に比べて娯楽の選択肢が増えたことで、結婚や家庭生活の価値観が多様化し、それぞれの生活スタイルが尊重されるようになりました。
- 自己主張の強化 – 男女ともに自己主張が強くなり、互いのわがままに対する我慢の限界が低くなった結果、関係が破綻しやすくなりました。
- 社会の離婚に対する容認度の向上 – 離婚への心理的抵抗が低下し、「バツイチ」や「シングルマザー」といった言葉が重い意味を持たなくなりました。
- 不倫の心理的ハードルの低下 – 不倫をすることに対する心理的な障壁が昔に比べて下がり、関係の修復が困難になるケースが増えました。
- 親の態度の変化 – 昔は離婚した娘を受け入れない家庭も多かったですが、現在では子どもに対する親の過保護傾向が増し、離婚後も家族として受け入れることに前向きな家庭が増えました。
これらの要因が複合的に作用し、女性が離婚に踏み切りやすくなる社会環境が形成されています。
人体の生理的メカニズムとの関係
結婚生活を長期間維持することが、人体の生理的メカニズムにとって非合理であるという点は、以前からこのブログで多く取り上げてきたテーマです。特に、恋愛を司る脳内ホルモンである「PEA」や「ドーパミン」の分泌が、恋愛が始まってから3~4年経過すると著しく減少する現象は、その根拠の一つとして挙げられます。
恋愛感情が約4年で賞味期限を迎えるとされ、その時期を過ぎると倦怠期に入ったり、浮気が発生したりすることが一般的です。恋愛の初期段階から4年経過すると、かつては心を躍らせた相手に対しても、同じような情熱を感じなくなることが多いのです。
結婚後も、この恋愛賞味期限の概念は同様に適用され、恋愛関連の脳内ホルモンの分泌が減少すると、配偶者への愛情が薄れ、自然と離婚を考えるようになることは理解しやすい現象です。
さらに、メディアや女性雑誌が「女性に有利な離婚」や「離婚は現代では一般的な選択」といった内容を盛んに報じていることも、離婚に向かう風潮を加速させています。このような状況の中で、男性がどれだけ結婚生活の維持に努力しても、離婚に対する抵抗感が薄れている現代女性の意向によって、その努力が報われないことが多いのが現実です。
現代社会に合っていない結婚制度
結婚という制度が、日本社会および現代の生活様式に必ずしも合致しなくなっているという見方が存在します。これは、情報化社会の進展により、結婚に関するあらゆる情報があふれていることが大きな要因です。
スマートフォンを手にオンラインで結婚に関する情報を検索すると、離婚、慰謝料、浮気、DV(家庭内暴力)、家庭内での居場所のない夫や妻といった、極めてネガティブな内容が無尽蔵に出てきます。特にインターネットの掲示板から抜粋され、読みやすく編集された情報サイトでは、「結婚は人生の墓場」というような否定的な見解がしばしば標準となっており、これらのサイトが読者に与える影響は計り知れません。
情報が限られていた過去には、結婚生活のイメージが具体的には隣家の夫婦くらいからしか得られず、多くの人々が試行錯誤しながら結婚生活や育児に奮闘していました。
しかし、現在では結婚をする前に、ネットで様々な結婚生活の実態を調査することが可能になり、それが結婚に対する躊躇を生む原因となっています。情報の氾濫が結婚に対する理想を砕き、かつての憧れが著しく低下してしまったのです。
男女ともに自己中心主義に
現代社会において、男女ともに自己中心的な傾向が強まり、他者と深く関わることを避けたがる若者が増えています。友情だけでなく、恋愛関係においても、その手間や負担を避けることを望む人が少なくありません。
「自分が最優先、他人への妥協は避けたい、快適さを追求する」このような価値観が主流になると、結婚という選択肢は妥協や諦めが伴うものとして捉えられ、若者たちは結婚から距離を置くようになります
経済格差が「結婚」を遠ざける結果にも
さらに、経済の格差が広がり、未来への暗い展望が重くのしかかる中で、結婚や子育ての困難さは増すばかりです。世界的に見れば、日本の経済格差はそれほど大きくないとも言われますが、非正規雇用の増加や貧困家庭で育つ子どもの数の増加など、将来への懸念材料は尽きません。
日本の国際競争力の低下や人口減少問題への対策として移民政策が考えられていますが、これらの課題が未来への悲観的な見方を強めています。経済的な格差が広がり、社会の先行きが不透明な中で、安心して結婚や子育てを考えられるのは、社会的な影響を受けない一部の富裕層か、将来に対する理解や想像力が欠如している人々に限られる傾向にあります。
結婚制度にハマらなくなる未来
結婚という伝統的な制度が、現代社会ではしばしば重荷と感じられていることが、インターネット上での様々な暴露話から明らかになっています。結婚が基本的に「子孫を継続する」という目的を持つ一方で、その目的を果たすために必要な犠牲が大きすぎるという認識が広まりつつあります。
結婚に関連する様々な課題が指摘されています。例えば、夫婦間で意見が合わずに生じるストレス、結婚式や新居の準備にかかる膨大な費用と労力、恋愛感情の賞味期限が人体の生理的に約3年であること、そして、「子孫を残す」という目的のためだけに他の人生の楽しみを犠牲にする必要があるかどうか、さらに離婚の際の男性側の不利な条件などが挙げられています。
これに対して、フランスなどでは事実婚が社会的に認められ、同様の生活を送るカップルも公的な支援を受けることができるように法整備されています。事実婚とは、法的な結婚を行わずとも、同棲することで結婚生活に近い形を実現し、子どもを自由に育てることができる関係を指します。結婚という制度に縛られずに、もっと気軽に家族を持ち育てることが可能になります。このような柔軟な関係が、先進国において少子化問題の解決策となる可能性があると期待されています。
まとめ
現代の日本において、離婚のハードルがかつてに比べて顕著に下がってきています。この変化は、社会の価値観の変遷、経済的自立の容易さ、法制度の進化、そして情報技術の発展によって後押しされています。
社会的な価値観の変化により、結婚生活を継続することが必ずしも唯一の正しい選択肢とは見なされなくなってきました。個人の幸福と自己実現が重視されるようになり、不幸な結婚生活を続ける理由が以前よりも少なくなっています。特に、女性の社会進出が進んだことで、経済的に自立することが容易になり、離婚後も一人で生計を立てることが可能になりました。
法制度の面では、離婚手続きが以前に比べて簡略化され、相談できる専門家や支援機関も増えたことが、離婚へのアクセスを容易にしています。また、離婚に伴う慰謝料や財産分与、子供の親権などに関する公平な取り決めが可能になったことも、離婚を検討しやすい環境を提供しています。
情報技術の発展により、インターネット上で離婚に関する情報を容易に入手できるようになりました。離婚体験者のブログや専門家によるアドバイス、オンライン相談などが充実しており、離婚に関する正確な知識を得ることができ、心理的なサポートを受けることが可能です。
しかし、このような状況の中で、離婚に至るまでの家庭内の問題を深刻化させずに解決するための取り組みも同時に重要となってきています。結婚生活の質の向上や、夫婦間のコミュニケーションの改善、カウンセリングなどのサポートの利用が、離婚を減らすための鍵となりうるでしょう。
結論として、現代の日本において離婚のハードルが下がってきている背景には、社会の変化や経済的な自立の容易さ、情報のアクセシビリティの向上などが挙げられます。しかし、それに伴う家庭内の課題に対処するための支援やサービスの拡充も同時に必要です。
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