既婚者マッチングアプリといえば、悪名高い存在です。
ですがそこには沢山のストーリーがあって、それが全て悪いものではありません。
「既婚者マッチングアプリをしている」という同じ行動をしても、ある人は漫然と利用し、ある人は自分に活かし、ある人は自分を省みる。
それはマッチングアプリだけではないのかもしれません
仕事をしていても、受け取るもの、考えることによっては自分の可能性を更に広げることも可能です
今回はその中のひとつの体験談をいただいたのでご紹介いたします。
セックスレスだったヨウコさん
ヨウコさん(46歳)は関東に住むパート主婦でした
どちらからともなく40歳の頃にはセックスレスになるも、エッセイ漫画などでセックスレスの描写を見かけてから「自分はセックスレスで、セックスがしたいんだ、女でいたいんだ」と思い始めたそうです。
数年前、ついに既婚者マッチングアプリを始めます
そこで知り合った男性によって、ヨウコさんの人生が大きく変わることとなるのですが、「今思い返しても、運が良かっただけなんですよね」と笑うヨウコさんは、失礼ながらパート主婦だったようには見えませんでした。
現在のヨウコさんはフリーランスのセラピストで、お話を伺っている時もスマホの通知が頻発していました。
パート主婦だったヨウコさんは、既婚者マッチングアプリの出会いによってフリーランスのセラピストとなったのです
その経緯を伺ってみると、興味深いものが見えてきました。
「退屈」と「寂しさ」を救ってくれた彼
何人かの男性とデートを重ねるも、なかなか踏ん切りがつかなかったヨウコさんに、ある男性が現れます
そうは言っても男性の「下心」と言いますか、当たり前なんですけど、私もセックスはしたかったんですが、タイミングが追いついてなかったというか。
普通に連絡したり会ったりしていてもその「下心」にあまり良い印象を抱けなくて、そうしている間に連絡も途絶えて、という感じでした。
私は恋愛経験もセックスの経験も多くは無いので余計にそういった男性の下心に敏感になってしまっていて。
そういう方って多いですよね。
女性の心の準備って割と時間がかかったりするものですし。
そうなんです。
マッチングアプリをやっている、というだけで性に奔放で遊んでいるんだろう、と誤解されていることも多いですよね。
でも私のように経験が少ない人も多いような気がするんです。
というのも、徐々にそういった「待てずに下心を出す男性」自身も、経験が少ないからそうなっているんだ、ともわかってきたんです。
さすが、セラピストですね笑
どうして「待てずに下心を出す男性」のことが理解できてきたんですか?
すごく単純で、同世代か少し上の男性も若い頃に結婚している人が多くて。
私もそうだったんですけど、学生時代とか若い頃の恋愛の感覚で止まっているんです。
なので少し稚拙になる、と?
ですがどうしてそれがわかったんでしょうか?
私の人生が大きく変わるきっかけをくれた男性と知り合ってからです。
彼は急がなかったですし、私の事情や気持ちをそのまま受け止めてくれたんです。
なので最初はただ食事をしたりするだけだったんですけど、あまりにもそれまでの男性と違って下心を出さないので、むしろ私が気になってきてしまって笑
既婚者マッチングアプリで知り合ったのに、ジェントルマンだと思ったことが意外だったのでしょうか?
そうなんです笑
私が彼を気になるようになってしまって、深い関係になってから「女性が男性を選ぶんだから、自分からはどうしようもできないんだよ」と言っていて、それまでと大きく違う「大人の男性」を感じました。
パート主婦に不満は無かった
結局、ヨウコさんはその男性と深く関わるようになるにつれ、彼のような男性に釣り合う女性になりたい、と思い始めたそうです。
そんな女性はきっと、彼だけではなく多くの人から見ても魅力的なのでは?という感覚に。
お相手はどんな方だったんですか?
彼も既婚でお子さんがいらっしゃいました。
私より少し上で、会社員をされていたんですが年齢的にも管理職で、私がふとパートの仕事で思ったことを話したのをきっかけに、自分の仕事について考え始めました。
愚痴を聞いて欲しかったとかですか?
いえ、あまりそういうことは思わないタイプなので、「もうちょっとここをうまくやるにはどうしたらいいかな」という、相談とも独り言ともいえないものだったんですけど、そうは言ってもドラッグストアの品出しだったのでそこまで大きい使命感があるとかではなくて。
でも仕事自体は面白かったので「どうしたらもっと良くなるかな?」とは思いつつ「でも私ひとりが考えて動いてもあんまり意味は無いな」とも思ったり。
仕事の話をするのが楽しかったんですか?
はい、彼は会社員でしたが、一介のパート主婦の私の話をぞんざいにしなかったんです。
組織の中で自分ができる役割や部下との接し方や導き方のポリシーを持っていて、その話を興味深く聞いていると「君は話を聞くのも返事も的確だし、君と話していると多くの人が安心する気がするよ」と教えてくれました。
自分でも相談を聞くのが得意だったし、愚痴を聞くのも嫌いじゃなかったし、どうすればいいかの解決策が必要な時は一緒に考えたりしてきたな、と思い出したんです。
それを伝えると「それは才能だから、ちゃんと伸ばした方がいいと思うよ」と言ってくれて、自分の中で「今いる場所や仕事の中でできることばかり考えていたけど、それが長所だとしたら、仕事にできるのかも」と思い始めました。
まさにマリッドフレンドとなった2人
その後、自分で勉強をして資格をとったり、SNSで仲間を作ったりして、多くの収益にはなってはいませんがパート主婦の頃よりは収入が増えたそうです。
ですがヨウコさんは「金額ではないです」と笑いました。
確かにそれまでより多くの収入にはなってはいますが、働き方が時給ではないので家事育児の他の時間は全て勉強や人付き合いなどの時間に充てていますし、それを時給換算したらドラッグストアで働いていた方が良かったと思います笑
つまり「生きがい」が見つかった?
おそらくそこなんです。
金額の報酬よりも大きかったのが「満たされた気持ち」の報酬で、それは彼からもそうですし、今の仕事からもそれを感じます。
だから大変でも毎日があっという間に過ぎて面白いのかも、と。
彼とは現在はどんな関係なんでしょう?
彼とはもう一人の仲間というか、何かあった時すぐに駆けつけるとかそういう関係では無いです。
それはやはり主人だし、主人のことが一番大切ですし、おそらくそれは彼も同じなんです。
だけど、友達や恋人という呼び名よりもお互いが理解できている部分があって、それを主人一人に背負わせるのはちょっと大変だったのかも、と思っています。
長く続いている特別な友達や仲間、という感覚です。
ヨウコさんにとって彼は大きな転換点となった人でした
そうは言ってもヨウコさんと彼はお互いのメインパートナーになることは望みませんでした。
友達よりも精神的にも物理的にも近い存在でありながらも、一番守りたいものは明白で、その気持ちがお互いに同じだったから何年も関係が続いているのだと察しました。
既婚者マッチングアプリといえば、悪名高い存在です。
Anemoneは「夫婦同士で話し合って、我慢や離婚の選択肢ではない、もうひとつの選択肢としてのMarried Friend/マリッドフレンドを」というポリシーでアプリを提供しています。
そうは言っても黙って使って出会って、結果的に不倫になる可能性ももちろん考慮のうちですが、「本当に悪しか無いのか?」という部分の話を体験談を交えてお伝えしていこうとも思っております。
それによってセックスレスや夫婦関係に悩んでいる方から、ひいては友情や仕事までのなんらかのポイントやコツが伝われば幸いです。
マッチングアプリだけではなく、結局は使い方、関わり方についての視点が大切なのだと思うからです。