- セックスレスは「心理・生活・価値観」の複数要因が重なって起きている
- 男女で背景は異なり、関係性や役割の変化が大きく影響している
- 夫婦仲が良くてもセックスレスになるケースは珍しくない
セックスレスに悩む夫婦は、決して珍しいものではありません。
「関係は悪くないのに、なぜかセックスだけがなくなってしまった」
そう感じている人も少なくないのではないでしょうか。
Anemoneでは研究者との学術的な共同研究(研究代表者:奈良女子大学・岡田玖美子先生)の一環で、
ユーザー様へのオンライン・インタビュー調査を行いました。
ご協力いただいた皆様には改めて御礼を申し上げます。
本コラムは、その分析の途中経過をふまえてユーザー様のご利用状況について、Anemone編集部がわかりやすくまとめたものです。
実際にセックスレスの背景は一つではなく、
主に以下のような要因が複雑に重なって生じているケースが多く見られます。
・夫婦間の心理的距離の変化
・生活環境の変化(仕事・育児・家事)
・性的価値観や欲求の違い
このように、人と人との関係性は単一の要因ではなく、
さまざまな要素の積み重ねによって変化していきます。
Anemoneでは、こうした「関係性」や「相性」に関するテーマについてもユーザー調査を行っており、
相手とのフィーリングがどのように関係の満足度に影響するのかについては、
「マッチングアプリで「フィーリングが合う相手」と出会うには?【Anemoneユーザー調査①】」
で詳しく解説しています。
今回のAnemoneユーザー調査でも、
夫婦関係に不満を感じている方の中で、セックスレスは非常に多く挙げられる要因の一つでした。
では、実際にどのような背景があるのでしょうか。
本記事では、ユーザーインタビューから見えてきた実態を整理していきます。
Anemoneユーザー調査の概要
| 項目 | 調査概要 |
|---|---|
| 調査期間 | 2025年8月〜12月 |
| 調査方法 | オンラインでの半構造化インタビュー |
| 対象者 | Anemoneユーザー(登録者に通知した調査依頼に応募してくださった方) |
| 回答者数 | 33名(男性15名/女性18名) |
| 年齢層 | 30代〜50代中心 |
本記事で紹介する内容は、Anemoneユーザー33名へのインタビュー調査をもとにしています。
セックスレスはなぜ起きるのか|調査から見えた全体傾向

今回の調査で、夫婦関係に不満がある・どちらかというと不満があると回答した方は、
男性 9 人(15 人中)、女性 11 人(18 人中)でした。

その不満の理由として、しばしば挙げられるものが「配偶者とのセックスレス」です。
しかし一口にセックスレスと言っても、その背景や当事者の思いは決して一様ではありません。
実際には、夫婦関係そのものの問題から生じているケースもあれば、関係は良好でも性的な価値観や状況の違いによって生まれているケースもあります。
ここでは、よく見られる背景をいくつかのパターンに分けて整理してみます。
女性ユーザーが語ったセックスレスの背景

女性ユーザーの数人からは、セックスレスに至った背景として、夫婦関係の中での不満や距離感の変化が語られました。
生活面の不満(経済・家事・育児)の積み重なり
不満としては、例えば、「経済面への不安」や「家事や育児の負担の偏り」が目立ちました。
これらの生活面での不満が積み重なり、「夫に対して性的な気持ちを持てない」と感じるケースがあります。
特に、日常の中で小さな不満が蓄積していくと、相手に対する尊敬や安心感が薄れ、
結果としてスキンシップや性的な関係にも影響が出てしまうことがあります。
本来であれば夫婦関係そのものを見直す必要がありますが、
長年の関係の中でそれを大きく変えることは容易ではありません。
その結果、恋愛感情やときめきを結婚の外に求める人もいるようです。
夫婦間の心理的距離の変化
また、結婚生活の中での距離感の変化としては、
・夫の外見に魅力を感じなくなった
・長く家族として過ごしてきたため、今さら男性として見られない
といった理由もありました。
このように、「家族」としての関係が強くなる一方で、異性としての意識が薄れていくことが、セックスレスにつながるケースもあります。
この場合、夫婦としての役割は維持しながらも、「恋愛は別のところに求める」という考え方が生まれることがあるようです。
さらに、妻側が拒否するケースだけではなく、夫から
・妻や母としてしか見てもらえない
・夫が性的なコミュニケーションに積極的ではない
といったケースもありました。
こうしたすれ違いは、どちらか一方の問題ではなく、関係性の中で徐々に生まれていくものとも言えます。
話し合っても変わらないことによる諦め
これらの背景には、加齢や体調、もともとの性的関心の低さなどが理由で、
話し合いをしても状況が変わらないこともあります。
特に、何度か話し合いを試みても改善が見られない場合、「これ以上求めても仕方がない」と感じてしまい、徐々に期待そのものを手放していくケースも少なくありません。
特に夫が年上の場合、「無理をさせたくない」という思いから、
諦めに近い形で婚外の関係を考える女性も少なくありません。
このように、相手を思いやる気持ちがあるからこそ、関係の改善を諦めてしまうという側面も見られます。
男性ユーザーが語ったセックスレスの背景

一方、男性ユーザー側から見たセックスレスの背景にも、いくつかの特徴があります。
出産や育児による関係性の変化
中でもよく聞かれるのは、「妻の体型の変化」「産後や授乳中に子ども中心の生活になったことによる夫婦関係の変化」といったものです。
特に出産や育児のタイミングでは、夫婦の役割や生活リズムが大きく変わるため、
それまでの関係性とのギャップに戸惑いを感じる人も少なくありません。
こうした変化の中で、夫婦としてのコミュニケーションが減少し、
結果として性的な関係にも影響が出てしまうケースがあります。
妻に対する遠慮や言いづらさ
男性自身も「育児や家事で忙しい妻にこれ以上を求めるのは難しい」と理解している場合が多く、
不満を直接伝えることなく関係が止まってしまうことがあるようです。
特に、「負担をかけたくない」「関係を悪化させたくない」といった思いから、
あえて踏み込んだ話題を避けてしまうケースも見られます。
その結果、気持ちを言葉にできないまま時間が過ぎ、
性的な満足やときめきを婚外に求めるケースが見られました。
性欲や価値観の違いによるすれ違い
また女性と同様に、「妻がもともと淡泊である」「性的な誘いを断られる」といった理由も聞かれました。
加齢や体調、もともとの性欲の差などが背景にある場合、
「無理やりしたいわけではない」「妻として母としてはよくやってくれている」との思いから、
次第に性関係を求めることへのためらいが生まれ、
「これ以上、妻には強く言えない/言いたくない」という心理に至ったケースもありました。
このように、価値観や欲求の違いがあっても、それをすり合わせる機会が持てないことで、
関係が停滞してしまうこともあります。
「仲は良いのにセックスがない」夫婦の実態

ここで重要なのは、セックスレスが必ずしも「夫婦仲の悪さ」を意味するわけではないという点です。
セックスレス=関係悪化ではないケース
意外にも今回の調査で見えてきたことは、セックスレスでもハグや手をつないだり、一緒に寝たりといった「スキンシップはある」、「日常会話は多く、仲良し」というケースも 3 件ほどありました。
このように、性的な関係がなくても、日常的なコミュニケーションや信頼関係が保たれている夫婦も存在します。
つまり、セックスレスは必ずしも関係性の悪化を意味するものではなく、関係の形が変化している状態とも捉えることができます。
日本特有のセックス観の影響
「家族」としての関係は良好という夫婦でも、挿入を伴うセックスだけがなくなっている背景には、
日本社会特有のセックス観も関係しています。
長い間、日本では性行為が「子どもを作るためのもの」と捉えられる傾向が強くありました。
しかし 1980 年代頃から、性行為を「コミュニケーション」や「愛情表現」として捉える考え方が広がり始めます。
その結果、以前なら問題視されなかった夫婦の状態が「セックスレス」という言葉で語られるようになりました。
近年では「アセクシャル」という言葉で注目されているように、好き嫌いとは関係なく、
性的な欲求を特定の相手に抱かないという人もいます。
このように、性に対する価値観そのものが多様化している中で、
従来の「あるべき夫婦像」と現実との間にズレが生じている可能性も考えられます。
価値観の違いによるセックスレス
年齢や体調といった物理的な要因のほか、コミュニケーションや関係性に関する価値観の違いによって、
日常生活や子育ての単位という意味での「夫婦」としてはうまくいっていても、性的な希望が一致しないことは決して珍しいことではありません。
特に、性に対する考え方や優先順位は人それぞれであり、
どちらか一方に合わせることが難しいテーマでもあります。
そのため、大きな衝突がないままでも、結果としてセックスレスという形で関係が落ち着いていくケースも見られます。
セックスレスが抱える課題と現代の考え方

ここで重要なのは、セックスレスが必ずしも「夫婦仲の悪さ」を意味するわけではないという点です。
性の問題は夫婦間でも話しづらい
性の問題は、夫婦間でも非常に話しづらいテーマです。
また、どちらかが一方的に譲歩し続けることも難しい問題でもあります。
特に、日常生活の中で改めて話し合うきっかけを持ちにくく、
気づかないうちにすれ違いが積み重なっていくことも少なくありません。
同意の重要性と法的背景
2023 年の刑法改正で不同意性交等罪は「婚姻関係の有無に関わらず」と明記されました。
そのため、夫婦間であっても同意のない性行為の強要は犯罪です。
このように、近年では夫婦関係においても「同意」や「尊重」がより重視されるようになっており、
性のあり方そのものも見直されつつあります。
性と幸福度(ウェルビーイング)の関係
性的なコミュニケーションは、夫婦関係満足度やウェルビーイング(Well-being)、幸福感にも関連するという研究も複数あります。
一方で、そのあり方は一つではなく、夫婦ごとに心地よいバランスが異なるのも事実です。
だからこそ、「正解」を求めるのではなく、それぞれの関係に合った形を模索していくことが重要だと考えられます。
まとめ

夫婦間で前向きにセックスを考えることができない状況に悩んだ結果、
「夫婦関係は壊したくないが、この悩みを抱えたままではつらい」と感じ、既婚者向けのサービスにたどり着く人もいるようです。
こうした選択肢についてもう少し詳しく知りたい方は、
「Anemone完全ガイド|特徴・安全性・料金まとめ(初心者向け総合版)」の記事でも
サービスの仕組みや安全性について解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
今回のコラムでは、Anemoneユーザーへの調査から見えたセックスレスの背景の一部をご紹介しました。
次回は、安定したセカンドパートナー関係を築くためのポイントについて取り上げます。

