ポリアモリーという性的指向をご存じでしょうか?
一言で表現すると「全員の同意を得て複数の恋愛関係を築く」という概念です。
一見すると不貞行為、浮気、不倫だらけなのかと思われますが、全員の同意があることが不貞行為とは大きく違う点です。
とは言え、多くの方々がモノガミー(一夫一妻制)である現代においては大きく誤解される感覚です。
ですのでポリアモリーとして生きている人の生の話を聞くことは難しく、中々その実態を理解するには至りません。
愛とは様々な背景と、そこから生まれる様々な形、関係があります
自分が持っている「当たり前」「常識」は、実は全くそうではない
そうではないから色々な価値観を「そうなんだ」と受け入れ、そこに否定も肯定もなく、むしろ無関心でいる、これが昨今騒がれている「多様性」の核ではないかと思っています。
今回はそんな、中々知られていないポリアモリーの女性の話を聞かせていただける機会がありましたので共有したいと思います。
ポリアモリーとは
そもそもポリアモリーとはなにか?
以下のような定義があるそうです
お互いの同意を得たうえで、複数のパートナーと親密な関係を築く恋愛スタイルのこと。1990年代にアメリカから広まった、「複数性愛」という意味を持つ造語である。
パートナーがいながら別の人と交際をする点で「浮気」と混同されがちだが、ポリアモリーの場合は複数人と交際することについて「関係者全員の合意を得て」それぞれと誠実な関係を結んでいるのがポイントである。
モノガミー(一夫一婦制)が一般的とされる日本では、ポリアモリーに対する偏見もあり、自身がポリアモリストだとしてもカミングアウトできずに悩んでしまうケースも多い。
この概念はAnemoneが提唱する「Married Friend(マリッドフレンド)」のような、互いに合意を得た上で複数の関係を築く、という概念が元になっています。
ですのでベースが複数愛なので「裏切り」が存在しない。
でもそれって、どんなものなのか?
「結婚が向いてない理由がわからなかった」理由
東京都在住、独身のマミさん(43歳)はポリアモリーとして生活されています
ご自身で仕事をし、経済的にも完全に自立、過去に一度結婚されたようですが、現在は独身で、結婚の予定も無いそうですが、パートナーは複数いらっしゃいます。
編集室
ご自身がポリアモリーと気づいたのはいつですか?また、どんな理由からでしょうか?
おそらく38歳くらいです。当時、既に離婚していましたが、その後に付き合った人たちに対して拭えない疑問がありました。
自分の「嫉妬」の感覚がとても疎いと、ある日気づいたんです。
なので私に向けられるパートナーの嫉妬に我慢ができなくて、そのうち「どうして一人としか付き合ってはいけないの?」と思うようになってきました。
編集室
一般的には恋人が他の女性と会っている、とわかれば激怒するし嫉妬すると思うのですが?
嫉妬の感覚がゼロなわけではないんです。
なので恋人が他の女性と二人きりで会ってセックスしたら、きっとすごく傷つきます。
ですが、それを選択したのは恋人ですよね?
私ではない人と二人で会ってセックスすることを選んだ、その事実に納得するしかないと思うんです。
「他の人と二人で会わないで!セックスもしないで!」と言うことは簡単ですが、それだと相手の意向ではなく強制になってしまう。
そういうものは求めていないですし、私も言われたくないので言いません。
相手の選択を尊重したいんです。
その中で「マミを悲しませたくないからやめとこう」と思えばありがたいですし、でもそこで我慢することも求めていません。
編集室
他にも過去の彼女に嫉妬したりすることもよくありますが、それもありませんか?
それは全く無いです。
むしろ、恋人をここまで素敵に育ててくれた人たちなんだなあと感謝します。
ただ、元彼女に会ったりとか、元彼女を優先されるととても悲しい気持ちにはなりますね笑
編集室
それでもそれが別れに直結はしない?
しないです。
「それは悲しいな」とは言いますが、その先、元彼女と彼がまた会うかどうかは彼が判断することで、私の意向は伝えたのでそこで話は一旦終了です。
その他の部分で気持ちを補えるのであれば続きますし、削られていく感覚がすれば別れを考えます。
本当は家族が欲しい
マミさんの生き方を伺うと、少し寂しい気持ちにもなります
結婚して家庭を持って、子供を産んで育て、家族ができていく、多くの人がそういうものを求めていますし、世の中にはそういった作品が「美談」として語り継がれています。
また「死ぬ時は家族に囲まれて死にたい」と言う人も多く、その観点から見るとマミさんの中に他人が存在しないような、少しせつない気持ちも生まれてきました。
その疑問をマミさんにぶつけます
死ぬ時は、みんな一人ですよ笑
それに死ぬ瞬間がみんながみんな、そんなに穏やかには進まないじゃないですか。
家族がいても孤独な人をたくさん知っていますし、望まず、晩年は独りになる人もたくさんいます。
どうやって死ぬかって、基本選べないじゃないですか。
ちょっと皮算用のような気がするので、そういうことは考えたことはないです。
ただ、もう難しいですが子供が産めなかったのは心残りですね笑
そういう意味でも家族を持っている友達を見ているととても羨ましいです。
社会的に認められる二人=夫婦となって、そこに自分たちの血を分けた子供がいる、こんなに素晴らしいことは無いです。
それは純粋に羨ましいです。
編集室
それでも家族は欲しく無い?
欲しく無いというより、向いてないんだと思います。
向いていたら離婚もしなかったし子供も欲しかったです。
なので私はモノガミー(一夫一妻制)を否定するつもりは全くなくて、むしろ羨ましいですし、消去法としてポリアモリーとなっているだけなんです。
人は出会いと別れを繰り返すもの
マミさんの現在の交際状況を伺いました
すると、一般的な人が思い浮かべるような「とにかく色んな人と付き合う」というような、あまり良くないイメージとは少し違うことがわかってきました
編集室
現在は何人の方と交際しているんですか?
一番好きな人は一人で、それより他に仲良くしている人がいる、というかんじですね
編集室
え!?順番が決まってるんですか?
はい。
他のポリアモリーの方はわかりませんが、私の場合は好きの順番があります。
編集室
どういった順番なんですか?
一番好きな人以外はみんな同じです。
編集室
全員の方と肉体関係があるんですか?
ある人もいれば、無い人もいます。
男友達の延長のような関係ではありますが、心の繋がりが深い、といったかんじですね
編集室
一番好きな人以外の女性関係はご存じですか?
はい、知っていますよ
編集室
嫌ではない?
私も一番好きなわけではないですから、お相手もそうしてもらって構いません
混乱してきた
結婚しない理由は「明日もっと素敵な人と出会うかもしれないから」
そう言いながら「単に結婚できないだけなんですよ笑」と笑うマミさんですが、「結局、誰にも責任を取れなくて、相手も私に責任を取れないだけな気がしますね」とも言っていました。
編集室
責任とは?
簡単に言うと結婚ですね。
法的に契約を交わして社会的にも名前が変わったりして「この人はこの人のパートナーです」という発表をしますよね。
私にはそれができないですし、そういう私の相手も、それができないんです。
人間同士の関係って、鏡合わせですから。
編集室
どうしてできないんですか?
それは単に相手が私に責任を負いたくない、が一番大きいと思いますけど笑
なのでそこまで好かれてない、というか笑
あとは、明日、もっと素敵な人と出会う可能性がある、という部分が大きいです。
その時に自分が結婚していたら、気持ちを押し殺さなければならない。
それは結果的に誰も幸せになれないと思っていて、無責任とも思うんです。
変でしょうけど笑
会話の端々に「おかしいですよね笑」と言うマミさんから、自分が一般的ではないからという理由で無理解な言葉や誤解、攻撃を受けてきたことが伺えました。
マミさんの生き方に関係ない第三者の価値観で「良い、悪い」と判断することになんの意味があるのでしょうか?
マミさんの生き方は誰にも関係ないはずで、冷たい言い方をすると、マミさんがそれで良くなろうと悪くなろうと、関係ないのではないかとも思いました。
まとめ
マミさんの話を聞いていて、確かに世間一般との価値観の大きな違いを感じてもどかしい瞬間がありました。
頭の中で何度「普通は…」と思い浮かべたか、しかし、その度に「その「普通は」という言葉にマミさんは傷ついてきたんだろう」とも思い、そして自分自身もその「普通は」「常識では」という言葉に傷ついた経験を思い出しました。
ポリアモリーという生き方は私にはまだ理解に及んでいません
しかし、マミさんは経済的に自立し、誰かに依存することなく、言ってみれば不安定な愛情の中で生きることを「人というものはそういうもの」と、ある種諦めにも似たような感覚を持っているようにも思えました。
最後にマミさんは「同性愛やその他の様々な愛の形もですし、色々な価値観は最初は受け入れられないものです。愛情だけではなく文化も人々の価値観も、その時代に必要なものであれば時間をかけて定着して、今度はそれが「普通」になる。そしてまた他の価値観が現れて、、、ということを繰り返していくのだと思います」と語っていたことも印象的でした。
これはきっと、ポリアモリーだけが持つ感覚ではなく、言ってみれば様々なマイノリティが感じている部分な気がします。
そしてそのマイノリティである部分は、多かれ少なかれ人は持っていて、だからこそ、他者との違いに善悪の判断をする必要は無いんだと思いました
誰もが自分のマイノリティな部分を抱え、そしてそれを少なからず、否定された経験があるはず
だからこそ、自分と違う他者、マイノリティに対しても、自分が否定された経験を元に、肯定はできずとも、否定することも必要がないのだと思いました
セカンドパートナーという第3の選択肢をAnemoneで。
- 詳細フィルター・レコメンドで実現した高いマッチング率
- 真剣な出会いを提供するのがAnemoneのポリシー
- 操作はAIがおすすめする人をいいねするだけ
- ほかを凌駕する圧倒的コストパフォーマンス
- 不審なユーザー・業者は徹底して排除